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博士号を取得するためには,最終的に,博士論文を執筆し,大学側に提出する必要があります.
その前準備として,執筆するに値する研究業績を残しているかどうかについて,正当な評価を受けなくてはいけません.
【 審査基準はバラバラ? 】
基本的には,評価基準は大学によって異なりますが,主に,原著論文の数と,学会発表(特に,国際会議が重要視されます)の数が問われます.実際には,同じ大学の中でも微妙な誤差(ズレ)があるようで,正確な合格ラインは不明です.
私が指導教官から言われたノルマは,原著論文が最低3本(うち1本は英語が望ましい),そして,国際会議での発表が最低5回でした.これが,甘いのか辛いのかは難しい判断にはなりますが,複数の知り合いから聞いた話と比較したところ,決して甘くはないと思われます.
博士論文を執筆するまでの約4年半の間に残した実績は,
原著論文 4本(1本は英語)
その他論文 2本
国際会議発表 5回
国内学会発表 9回(受賞1回)
です.序盤に躓いて時間をロスした割には,中終盤で盛り返すことができたと思います.また,投稿論文がReject(棄却)されたこともありますが,修正して,他の学会誌に新規扱いで再投稿して採用されたこともあります.
そして,毎年,同じようなペースで学会発表をこなしていましたので,回数はそこそこになりました.4年半で14回の発表ですから,年に数回は必ず発表するという研究スタイルが要求されます.継続的に一定のリズムで学会発表と論文投稿を繰り返し,ひたすら前に進むことが大切だと思います.
【 幹+枝葉=木? 】
指導教官にノルマ達成を認めてもらえれば,とても大きなハードルをひとつクリアしたことになります.ただし,ここで注意しなくてはいけないことは,業績は局所的な(部分的な)研究成果の塊であって,博士論文の骨格をなしていないということです.木に例えて言うならば,枝葉の研究に過ぎません.ですから,それぞれの枝葉に対して,もう少し有機的な繋がり(関係)を持たせ,ひとつの大きな幹と融合できるように,全体のシナリオを構築することが求められます.
このシナリオ構築の作業が博士論文の章立てにも繋がるわけですが,ここで次のような問題に遭遇する可能性があります.
枝葉に偏りがあり過ぎてしまったら?
枝葉の数が少なすぎたら?
残念ながら,枝葉を有機的に結びつけることができない場合もあります.本来はそうなる前に,研究方針を補正する必要がありますが,意図せぬ方向に進んでしまうこともありえます.
枝葉と幹が融合しない場合には,いくらノルマが達成していても,
「もう一年頑張ろう!」
と言う指導教官もいます.
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