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社会人ドクターの最大の悩みは,仕事と学業の両立かと思います.
単純に2倍の時間が欲しいところですが,現実には無理な話です.
この問題をどのように乗り越えていけばいいのでしょうか?
【 仕事と学業の時間バランスは? 】
留学形式で大学に通い詰めることができる人はラッキーですが,そうでない人は,勤務先での普段の仕事もこなさなくてはいけません.そのバランスは勤務先によって異なりますが,例えば,
例1)週に2日は仕事で残りは大学にて学業
例2)1週間連続で仕事をして翌週は大学にて学業
例3)月に数日のみ大学で残りは仕事
などがあります.
当然のことながら,大学に長い時間かつ連続的に居られることが望ましいです.断片的なスケジュールですと,研究のリズムに乗れないことがあったり,共同研究者との打合せの日程調整が難しくなったりと,融通が利かなくなります.
ところが,残念ながら,現実はそれほど甘くはありません.
勤務先での仕事量を多少は減らしてもらえたとしても,研究活動をしながら仕事をすることはとても大変です.仕事の中身も千差万別で,単なるデスクワークだけでなく,国内外の出張があったり,会議がびっしり入ったり,納期に追われて深夜残業の日々もあることでしょう.想定外のスケジュールが飛び込んでくることも覚悟しなくてはいけません.
【 時間を作り出すには? 】
全ての人に与えられる時間は平等で,一日24時間のみです.
どんなにお金を用意しても,時間を買うことはできません.ですから,限られた時間の中で,最大の成果をあげるためには,密度の濃い動きをすることと,不要な時間を削ることに尽きます.場合によっては,睡眠時間を減らすことも必要になるかもしれません.
ハードワークの状況にいながら大学に通い,睡眠を含めた自分のプライベートの時間を削ってまで研究活動を行うということは,必然的に,強靭な精神力と体力が求められます.
仕事と学業のバランスは,博士課程在籍年数にも影響を与えます.留学形式で大学にいる時間の長い「学業重視」スタイルの人は,基本的には,3年で修了できる可能性が極めて高いですが,勤務先の事情により「仕事重視」スタイルの人は,4~5年かかることが多いようです.これは,研究に当てる時間の総数を計算してみれば分かることですが,どうしても,断片的な研究活動をしていると不利な環境になってしまいます.
【 私の場合は? 】
私の置かれた環境は,典型的な後者(仕事重視)のスタイルで,修了までに5年を要しました.
最初の3年間は,月に2~4日程度の大学出張という形でしたので,土日と繋げて連続3~4日間を月に2回ほど作り,集中的に通っていました.
それ以外の日は,勤務先から帰宅後の深夜(24時~27時程度)と土日を利用して,自宅で研究活動を継続していました.幸い,コンピュータプログラミングによる実験が可能でしたので,パソコンがあれば研究活動ができました.もし,化学の実験が必要な研究であったならば,恐らく,途中で挫折していたと思います.
後半の2年間は,研究が軌道に乗り,業績がまとまりつつあったことと,博士論文の執筆などもあり,月の半分は大学に通い詰めたこともありました.このあたりは,勤務先の理解が得られないと非常に厳しいと思います.
正直なところ,最初の3年間のようなペースで研究をしていたら,6年かかっても修了できなかったのではないかと今では思います.
大学でしかできない作業,例えば,図書館での文献閲覧(インターネットを利用したデータベースサービスもあります),指導教官との打合せは必要なものです.指導教官も多忙ですから,その日程調整は一段と難しくなります.また,大学が勤務先と自宅から遠い場合には,移動に要する時間と費用も計算に入れなくてはいけません(私は新幹線での移動でした).
仕事と学業のバランスを考えて,無理のないプランを立てましょう.
時間は限られていますが,無理をして体を壊さないことが一番大切です.
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