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本人の出願資格をクリアしたとして、次なるステップは、勤務先の了承です.
これが一番高いハードルになることが多いと思います.
【 大きな賭け? 】
勤務先で,毎年のように社会人ドクターを奨励している場合には問題ありませんが,初めての場合であったりすると,勤務先も慎重になります.費用の負担だけでなく,本人のその後の人生にも影響を与えますし,職場の空気も変わる恐れがあるからです.ある意味で,「個人への投資」に近いかもしれません.
私の場合,部署としては初めての挑戦であり,上司たちも困惑気味で数日間,あれこれと協議を繰り返していました(役員も関わってきました).
費用のこと,他の仕事(誰かがカバーしないと成り立たないこともあります)のこと,博士号を取得できなかった時(最悪の事態ですが可能性として低くはありません)のこと,周りへの影響(他部署を含めて妬む人がいます)のこと,などを賛成派と反対派が激論を交わしていたようです.
前例がないということは,本当に大変なことです.しかし,ピンチでもありチャンスでもあるのです.しっかりと自分の思いを伝えて,目的を明確にし,取得後は勤務先に戻って数十倍も貢献するという意思表示をすることが大切かと思います.
【 大学側も悩む? 】
一方,大学側から見た場合,勤務先の了承を得られていないと,とても困るわけです.例えば,本業の仕事に多大な時間を取られてしまい,学業(研究)が全く進まないことがあると,指導教官も迷惑ですし,本人にとっても好ましくありません.
また,博士論文を執筆する頃には,大学に缶詰になることもあります.勤務先から快く「大学に行ってきなさい」と言われることが大切なのです.そのためには,本人,勤務先,大学の三者がお互いに尊重し合う必要があります.しかし,これがなかなか難しい問題でして,私も最後まで苦労しました.
【 ペナルティ? 】
逆に,勤務先の心配事はいろいろとありますが,博士号を取得した後に,簡単に辞めてしまい,転職されることを一番嫌うと思います.太っ腹な勤務先であれば,「去る者追わず」かもしれませんが,ほとんどの場合,何らかのペナルティを課すことが多いでしょう.
例えば,事前に誓約書を作成し,「学位取得後○○年以内に自己都合退職した場合には,学費その他の費用を全て返還する」などの条件を盛り込む場合があります.勤務先から見れば,せっかく博士号を取得したからには,それを活かして欲しいと願うはずです.また,博士号を取得できないという最悪のケースも検討しておく必要があります.その場合の費用はどうするのか? 本人の処遇はどうするのか?(人事上の問題です)
勤務先と相思相愛であれば一番良いのですが,何はともあれ,大学へ「受験承諾書」の提出が必要となります.これは,試験よりも難しいかもしれません.
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