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いったいなぜ博士号を取得しようと思うのでしょうか?
それも社会人になってから…….
その動機について考えてみましょう.
【 博士号が示すものは? 】
弁護士や税理士や医者にはそれぞれ国家資格があります.筆記や実技など試験項目はいろいろとありますが,一定以上の点数を取得することにより,合否が判定される仕組みになっています.
一方,博士にも「博士号」がありますが,こちらは国家資格ではありませんし,試験方法も大学によって異なります.もちろん,目安はありますので,極端に取得しやすいということはないと思います.
どのように合否を判定するのかは,絶対的なものはありませんが,指導教官を唸らせるくらいの実績が必要なことは確かです.結局のところ,「暖簾分け」や「免許皆伝」といったイメージの世界です.だからといって,教授たちにお金を渡すのは駄目です.
とにかく,点数だけでなく,その過程を含めた総合評価の結果,「博士号」を取得することになりますから,その価値は極めて大きいですし,名誉なことだといえます.
【 博士号を取得する目的とは? 】
では,博士号を取得する目的とはいったい何でしょうか?
最近の理工系の学生は,大学を卒業後,そのまま大学院に進学し,修士課程(前期博士課程)を修了し,それから就職する人が増えているようです.その理由のひとつとして,大学を卒業した人(学部卒)と,大学院を卒業した人(院卒)では,就職活動や就職後の待遇面で差があるからと思われます.他には,学生生活をもう少しエンジョイしたい人もいるかもしれません.もっとも,この不景気の中では,親からの仕送りが困難になり,大学院に進めない人も増えてきたのではないかと思います.
理由はさておき,大学院の修士課程まで進んだ学生の中で,もっと研究をしたい,いろいろと勉強したい,と思う人がいたとします.その場合には,修士課程を修了した後で,博士課程に進むことになります.そして,研究漬けの生活となり,気が付いたら博士号を取得していたということもあるでしょう.
研究熱心で,とにかくその分野で精力的に努力し,実績を残して博士号を取得するということは,その後の長い研究人生におけるスタート地点を通過したに過ぎません.つまり,博士号というのは,研究者としての第一歩を踏み出すための資格ともいえるわけです.
【 社会人の取得目的は違う? 】
社会人の場合には,少し目的が異なります.
社会人ドクターで多いケースは,勤務先での業務内容が「研究」あるいは「開発」で,しかも,専門性の高い仕事をされているということです.つまり,既に研究者としての第一歩を踏み出している方が多いということです.
社会人と言いつつも職歴には差がありますので,大学を卒業してから1年,5年,10年,20年では全く異なります.しかし,一旦,仕事として研究に携わっている人たちにとって,博士号というのは,自分自身をさらに磨くためのエネルギー源に過ぎないと思います.専門性を極めることへの誇りともいえます.
もちろん,単純な動機としては,名刺に「博士」の肩書きを追加できるとか,給料に何らかの手当てが付与されるとか(付与されない場合もあります),他人に自慢ができる(?)とか,いろいろとありますが,それらはあくまでもオマケみたいなものです.
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