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社会人ドクターとして,博士号を取得するまでに必要なモノとしては,大きく分けて「時間」「お金」「環境」の3つが挙げられます.
【 時間との戦い! 】
「時間」は,最低でも3年は必要です.
博士課程の標準的な在籍期間は3年だからです.しかし,これはあくまでも目安であって,実際には,本人の能力や指導教官の指導方針やその他の理由(研究テーマに恵まれない,運が悪い,など)により4年以上になることがあります.
他大学の先生方や知り合いなどの話を聞いても,社会人ドクターの平均在籍期間は4年のようです.もちろん,5年の方もいますし,6年かかっても博士号を取得できずに自動的に満期退学になる方もいます.どちらにしても,3年以上の研究生活に耐えなくてはいけません.
社会人になってからの3年というのは,とてつもなく長い時間だと感じられると思いますが,これは本当に長いです.
【 お金との戦い! 】
「お金」は,予想以上にかかります.
学費は国立と私立によって全然違いますが,某私立大学(理工系大学院)の一例を挙げると,1年目に約100万円(入学金など含みます),2~3年目に約75万円,延長となる4年目以降は約60万円となります.仮に4年在籍したとすると,約300万円もの出費となります.学費だけでも馬鹿にならない費用です.
また,学会参加費,論文掲載時の別刷費(50部とか100部とか印刷するためです),旅費(海外もあります),宿泊費など意外と雑費用もかかります.
しかし,社会人ドクターは,勤務先から仕事扱いとして大学院に「派遣」されることが前提となっていますので,ある程度の費用負担をしてもらえると思います.勤務先とは無関係で全て自費で負担する例も聞いたことがありますが,相当な貯金がないと苦しいようです.
【 環境との戦い! 】
「環境」は,主に人的ネットワークの構築です.
指導教官,他の先生方,研究室の仲間,共同研究者,学会で出会う仲間,そして,勤務先の仲間たちとの人間関係を円滑にしておく必要があります.協力が必要不可欠だからです.自分ひとりだけで博士号を取得しようと思っても,絶対に不可能です.
もうひとつの「環境」は,生活スタイルです.
自宅と職場と大学の位置関係によっては,その移動だけでも大変な労力を必要とします.大学が新幹線や飛行機で移動する距離にある場合には,その時間を節約するために,大学近辺に仮宿を用意して,短期集中で研究活動を行うことも必要になるかもしれません.
また,学業と勤務先での本来の仕事とのバランスによって,研究に割り当てる時間が変わります.いわゆる,国内留学型であれば,本来の仕事は少ないため,例えば,週に1日だけ出社すれば良いかもしれません.しかし,その逆もあります.月に4日程度しか大学に行くことができない場合もあるでしょう.それは,職場の判断によりますが,大きな違いになることは明らかです.
以上のことから,博士号を取得するためには「それなりの覚悟」が必要となります.私は想像以上に苦労して取得しましたが,その姿を見続けていた人は,同じ道を歩みたくないと断言しています.生半可な気持ちで挑戦することだけは避けた方が良いと思います.
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