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社会人ドクターの本題に入る前に,もう少し「博士」についての基礎知識を深めておきましょう.
【 博士は天才なの? 】
「博士」と聞くと,何でも知っているかのようなイメージを抱く方が多いかもしれません.テレビに出てくる博士は物知りだったりしますよね?でも,実際には,特定の専門分野に精通した研究者であって,他の分野では素人同然だったりします.
つまり,博士号には分野があるということになります.例えば,医学博士といえば医学領域の分野,工学博士といえば工学領域の分野となります.しかし,医学や工学という言葉自体が抽象的であり広義な意味を持っていますので,本当の意味での専門性をあらわしていません.あくまでも,シンプルなカテゴリにすぎません.
【 細かい記述方法!? 】
さて,今まで工学博士や医学博士といった「○○博士」という書き方をしていましたが,これから博士号を取得される方は,原則的には,この記述は使えなくなります.現在は,「博士(○○)」と記述することになっています.
一見すると,何か妙な感じがしますよね? 読みづらい感じがしますし,何となくカッコ悪い気もします.なぜ,このような記述方法に変わってしまったのでしょうか?
実は,旧文部省で行われた大学院改革(改正学校教育法)が発端となっています.1991年までは,○○博士という称号だったのですが,それ以降は博士(○○)という称号に変わることになったのです.ただし,1991年以前に博士号を取得された方は,従来通りで問題ありません.
些細なことですが,名刺に「○○博士」と書いてある場合には,随分前に博士号を取得されたことがわかります.最近取得された方は,「博士(○○)」と書かれていることが多いのですが,テレビや雑誌などで「○○博士」と紹介される時もあります.それは,その方が読みやすいという理由で採用している場合もあるようです.
【 医者じゃないのに医学博士? 】
余談になりますが,「医学博士=医者」と勘違いしている方が多いと思いますが,皆さんはどうでしょうか? 当たり前じゃないの!?って,思うかもしれませんが,実は,そうではないのです.
医学博士になるための一般的なステップとしては,医学部を卒業して,医師国家試験に合格し,研修医を経て医者になり,そこからさらに,大学院にて研究を行い,所定の業績を残して,医学博士号を取得する……という流れになります.
ところが,医学部以外の学部を卒業した後で,医学部の大学院(例えば,医学系研究科)に進学すると,医学系の研究ができるのです! そして,それなりの研究実績を残して博士号を取得した場合には,医学博士になれます(ただし,診療行為の資格はありません,あしからず).
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