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世界経済の状況は,すこぶる悪いです.一向に改善の兆しが見えません.
社会人ドクターとして,せっかく博士号を取得しても,いざ,転職を考えた場合に,簡単にはいかない現状があります.
もともと,博士号という学位は,昔からよく,
『学位というのは,足の裏の米粒のようなものである.
取らないでもどうということはないが,取らないと気持ちが悪い.
しかし,取ったところで食えない』
と,ジョーク半分で言われていました.
これは,その名の通り,すばらしく的を射た表現です.
しかし,実際に,大学教員や研究機関へ進もうと考えている人たちにとって,学位は必需品です.確かに,これがなくても,教員にはなれますが,そこそこの大学で准教授や教授を目指すのであれば,やはり,必要です.
多くの人が,必死になって,学位の取得を目指し,やっとの思いで取得できたとしても,今の時代は,なかなかまともな就職先が見つからないのが難点です.何故なら,需要と供給のバランスが大きく崩れてしまっているからです.
今から10年くらい前になりますが,大学院重点化政策の影響で,膨大な定員増が主要な大学院で行われました.そのような大幅な供給増が行なわれた一方で,少子化で大学生はどんどん減少し,その結果として,大学ポストの需要も減り,需給のバランスが大きく崩れてしまったのです.
このため,教員のパーマネント採用はほとんどなくなり,基本的には任期付き採用が当たり前となりました.単年あるいは複数年単位で契約を更新し,最大で5年までといった上限もあるようです.大学によっては,その間に優れた結果を残した人に対して,パーマネント採用に切り替えることもありますが,契約社員のような立場で研究や教育をする必要があり,精神的にはかなり大変です.
最近では,任期付きポストを渡り歩き,正規への道がなかなか決まらない人が増えています.大学側からしてみれば,人件費が安くて,簡単に首を切りやすい教員を採用した方が経営的には都合がよく,今後も,このスタイルは続くと予想されます.非常勤講師なども増えてきたのはそのせいでしょうか.
そして,正規の応募枠が募集されても,それなりの人たちが殺到しますから,よほどの実力者かコネでもない限り,簡単には正規雇用されなくなりました.
これは,深刻な問題になっており,「高学歴ワーキングプア」という言葉も生まれてきたくらいですから,いずれ国も何らかの政策を打ち出すことになるかもしれません.
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